共同通信社 2024年10月経済ウイークリー
ライフセミナーQ&A
最近話題の自社株買いって…編
Q.最近、自社株買いの話題を目にしますが…
A.自社株買いとは、上場企業が自らの手元資金を使って、
株式市場で自社の株式を買い戻すことをいいます。
東京証券取引所による日本企業への資本効率改善の要請もあり、
配当などと同じく株主還元策の一つとして注目されています。
日本企業の24年1~9月の自社株取得枠設定ベースの累計額は12兆円を上回り、
今年は通年でも過去最高額となりそうです。
企業にとって、自社株買いのインセンティブは何でしょうか?
市場に出回る発行済株式数が減るため、利益額が変わらなくても、
一株当たり利益(EPS)は高くなります。
つまり、株主にとって利益配分が増加するのです。
これはROE(株主資本利益率)の上昇やPER(株価)の低下を通じて、
投資指標面での魅力度はアップします。
また、外部から買い占められる敵対的買収の防衛策として有効とされます。
ただ自ら買い入れた「金庫株」の戦略的な活用については、後々説明責任が伴います。
様々な観点でのプロコン比較の末、実施される自社株買いには、
自らの業績や経営戦略に最も精通する経営陣からの「現在の株価は割安だ!」
という自信が込められたアナウンスメント効果があるとされ、株価上昇のシグナルとなりえます。
日本企業では株価下落時に話題になりますが、
経営陣による企業価値(=株価)へのコミットメントが強い海外企業でも
自社株のインセンティブは同じです。
(独立系ファイナンシャルアドバイザー 本橋竜一)
【掲載新聞名】
各地方新聞社紙面
資産運用・経済コーナー掲載