2021/07/03日本経済新聞『広がる「高所恐怖症」』より 連日高値更新の米国株式市場で広がる「高所恐怖症」・・・
米シカゴ・オプション取引所が算出するスキュー指数は6/25に170.55と過去最高を更新。
継続的なインフレ懸念やIT株の割高感といったいろいろな懸念が重なって、起こる可能性は低いが、起こると株価急落を伴う「テールリスク」の警戒に繋がっているとあります。 スキューは別名ブラックスワン指数(黒い白鳥)と言われ、米国S&P500株価指数のオプションを基に算出。価格が極端に安いプット(売る権利)の需要が高まると上昇してきます。7/1時点では155台まで下落しているようですが、過去3年平均の130と比べるとまだ高水準まま。
あまりに好調な米国株式市場に対する疑心暗鬼が広がっていることを表しているようです。 S&P500は連日最高値を更新しており、7/1時点では6連騰。同指数の現在価格に近いプットとコールオプションから算出するVIX指数も15台と低水準が続いています。
これは目先1カ月間の予想変動率の低さを表し、当面は株高が続くと多くの投資家が想定していることを示しています。
一方で雇用や景気回復が続くとすれば、8-9月にもFRBは国債などの購入額を減らすテーパリングの具体的な議論を始めると懸念されています。米GSのストラテジストは「相場が下落した時には、高いボラティリティ(変動率)を伴う」と指摘、一部の機関投資家には株安を見込んでいる方々もいるようです。 米株式市場における今後1年の最大のリスクは、FRBの政策転換が最も多く、最近のインフレの行方も持続的との回答が5割くらい、一時的とするFRBパウエル議長の見解とズレています。業種別で年末までの株価変動率では、IT株は3番目に大きな調整を伴うと予想されているようです。
シティGのストラテジストは「投資家は株価上昇の流れに乗りつつ、さらなる上昇に高い確信があるわけではない」としています。 例年7-8月は夏季休暇シーズンに入るため取引が閑散としてくる傾向があります。流動性が低くなり少しのニュースでも市場が過敏に反応する恐れもあります。また最近では感染力の強いコロナのインド型変異種の感染拡大等、投資家の警戒感を高める新しいリスクも出てきていますし、堅調な相場の中でも思わぬ動きに要注意!という状況です。 そろそろクマさんが出てきてもおかしくないなと思いつつ過ごさなければならないシーズンかもですね。
※クマさん:ゴルディロックスと3匹のクマの童話から。ベアマーケットの象徴です。
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