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執筆者の写真RYUICHI MOTOHASHI

日経平均株価3万円回復に考える…【番外編】


2021/02/16日本経済新聞『3万円回復 課題なお』より 日経平均株価が30年半ぶりに3万円台を回復しても、実感がないという意見が多いのは、①日本株の買い主体が外国人と日銀である、②米国と違い新陳代謝が鈍くて小粒企業が多いという2つの要因でしょう。 まず①の個人投資家が株価上昇を肌で感じていないことではないでしょうか?紙面にも「景気との差があり過ぎて違和感しかない」というコメントや「平成バブル期のような熱狂がない」とのコメントからも、投資家全体が株式投資で盛り上がっている感は乏しいです。 この30年間で日本株を保有する主体は大きく変わり日本株を日本人が保有しなくなったと言えます。メイバンク・生保会社や取引先を中心とした株式の相互持合い、財テクとして株式投資をしていた事業会社、株式投資に熱狂した個人投資家もバブル崩壊後の株価急落で、損失に耐え切れず株式を放出してきました。 過去30年間は個人投資家は一貫して株式を売り続け、売越額は68兆円にも上るとされています。90年度末に20.4%だった個人の持ち株比率は2019年末には最低の16.5%に低下。 家計資産の内訳は、米国は株式と投資信託が計45%程度を占めるのに対し、日本は過半が現金が占め、株と投資は13%しかありません。株式を持っていない多くの家計・個人にとっては、日経平均が3万円を回復した株高は、完全な他人事です。 日本人が手放し続けた日本株を一手に引き受けてきたのが外国人です。外国人の持ち株比率は90年度末の4.7%から17年度末には30.3%と上昇。12年末からアベノミクス相場が一巡すると外国人は売り手に回り、今度はETF購入を拡大してきた日銀が買い手となります。日銀のETF保有額は昨年末で46.4兆円。GPIFの45兆円を超え、日本株の実質的な筆頭株主です。 そろそろ本格的に外国人・日銀頼みの状態を脱し、多くの国民が投資信託などを通じた企業の株主として健全な資産形成を・・・と唱える専門家は多くなっています。 このためには、株式投資の信頼性が高まり、多くの国民が資産運用や株式投資の健全なリテラシーを向上できる金融・投資教育も必須ですし、それをサポートする私たちのようなFAや証券会社の倫理感も大切。企業も投資家も私たちFAも「まだまだ出来ることがある」と感じないわけにいきません。 その他にもこの日(2/16)の紙面には、マネー主導の危うさや日本企業の高齢化(平均年齢60歳超え)や新陳代謝が出来てない・・・と、30年半ぶりの日経平均株価3万円回復の裏にある目を背けてはならない事実がコメントされています。

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