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執筆者の写真RYUICHI MOTOHASHI

危機が問う… 市場の「賢さ」


2020/04/30日本経済新聞『コロナと資本主義 危機が問う市場の賢さ』 3月上旬、ディスカウント店「ドン・キホーテ」のマスク売り場の値札には「1点目まで298円、2点目以降は9,999円」とされたことが話題となりました。

コロナ感染拡大の中、品薄のマスクは即売り切れが続く状態となり、買い占めや転売など「必要性の低い需要」を購入を抑え込み、本当に利用したい人へマスクが行き渡りやすくなるための価格設定でした。 自由な取引の中で価格が変動し、需要と供給が適切に調整される・・・ こうした市場メカニズムが機能するからこそ、資本主義は本来の柔軟性を発揮する

あります。 新型コロナが中国から欧米に感染拡大が始まった2月下旬以降の世界の金融市場は、

異常な動きの連続でした。 3月末の資金決済ができなくなる恐怖を感じた企業や家計は一斉にドル資金確保に走り、

米ドルにおける邦銀の調達コストは11年ぶりの水準にまで高騰、金融市場からの一斉の資金引き上げにより、株式・債券の換金売りが生じた結果、資産価格の急降下となりました。 ※流石に3/19は「これはマズイな」とヒヤヒヤしてました。 この原因は「考える力の衰え」だと言っています。例えば経済事象や個別企業を丹念に調査し、割安と判断すれば急降下局面でも買い向かうアクティブ運用は、市場の「ブレーキ役」ともされる存在ですが、手数料の高さが敬遠され、最近は下火傾向・人気薄となっています。 その反面、全銘柄に面で一律投資を行い、手数料が安いパッシブ運用(インデックス運用)や、コンピュータープログラムに沿った機械取引が台頭しています。 米系資産運用会社の試算では、このパッシブ運用などの「考えないマネー」は株式取引の約85%とも言われます。こうした構造的な変化は、市場を一方向に動かしやすくなり、ひとたびショックが加わるとより暴走しやすくなるという環境を作ってしまいました。 この荒波の中でも、静かに買いの機会を狙っている「本物の投資家」は必ずいるはずと、2008年のリーマンショック後にゴールドマンサックスの優先株やGEの増資を引き受けて市場の不安を鎮めたウォーレンバフェットの『賢人ぶり』を「独力で考えなければ成功しない」という言葉と共に紹介しています。 無数の参加者が知恵を絞り、大量の情報を処理して行く効率性こそ市場メカニズムの強みではありますが、資金の最適配分を促し成長を支えるはずの市場が、膨張ともに暴走して実体経済を振り回すようになってしまいました。 あり余るマネーの暴走による資産価格の乱高下が引き起こされる中で、モノの価値を考える市場本来の「賢さ」を取り戻さないとならないと記事は終わっています。 あらゆる事柄を自分の頭(価値観)で考えるってとても大切なことですね・・・

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