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執筆者の写真RYUICHI MOTOHASHI

株高の影にも「ちゃんと潜んでいる」投資家心理

2019/12/26日本経済新聞『株高に潜む安全志向』より


日米ともに株価は高値圏にありながら投資家が警戒感を緩めていない姿勢を示しているのが、連続増配銘柄や金関連ファンドの選好です。一息ついた感のある米中摩擦の落ち着きもあるとは言え、景気の先行き減速がスッキリした訳ではないですし、昨年末から今年の初めにかけての市場急落も記憶によみがえります。


この不安心理が示す安全志向がどの程度続くのかが20年前半の相場を左右しそうとのこと。


25日の東京は市場参加者が非常に少なく寂しい「サイレントクリスマス」でした。目先の悪い材料がなさそうな中ですが、18年末の急落印象が強く、投資家は「お金の休め処」を探しているなんて寂しい声も紹介されていました。


この「お休み処」先というのは花王、KDDI、NECネッツエスアイ等の「連続増配」銘柄です。花王は29年連続、KDDIは17年連続の増配で、こうした銘柄は12月に入っても株価は堅調、日経平均を上回って推移しています。


米国でもP&G(プロクター&ギャンブル)、ウォルマートといった40年以上増配を続ける銘柄が好調で、S&P500指数構成銘柄のうち、25年以上連続増配をしている銘柄群で構成される「配当貴族指数」は23日に年初来高値更新。年初からの上昇率は27%とダウ工業株30種平均の22%を上回ります。


様々な景気の山谷を乗り越えながら連続増配を達成する銘柄が選好されるのは、投資家が自信を持てない心理を表しているとあります。


確かに米中貿易交渉の部分合意を受けて株価という点では上昇しており、市場分析をする人の中には、20年の日経平均株価は25000円を超えるという意見も急に多くなってきた気がします。しかし心のどこかで「米中がいつまた対立構図になってしまうかもしれない」と考えている投資家も多くいるのも事実。


この時期ならではの投資家の心に残る強烈な印象は1年前の「悪夢」とも言える株価急落だとあり、18年12月24日にダウ平均株価は急落、クリスマスの日経平均株価は1010円安の強烈な下落となり19年へ。年明け早々は米国アップルが決算下方修正を機にドル円相場が104台まで急騰する「フラッシュ・クラッシュ」で、1/4の大発会の日経平均は452円安で波乱の株式市場でした


今年の年末年始の東京株式市場も6連休で、また米国で何かあると嫌な気分で年明けスタートしたくない投資家は、なるべくリスクを背負いたくない気持ちも理解できます。



安全志向は株式の中ではなく、金関連ファンドも11月頃から人気化が目立ってきており、

金ETF最大銘柄のSPDRゴールド・シェアは大きく資金流入だったとあります。この流れは、投資家からの株式に代わる安全資産としての金への需要の高まりではないでしょうか?



こうした何かのサプライズを起点として繰り返しもたらされる市場急落を、いつまでも警戒する投資家が多くいることが、経済の先行きへの自信のなさを表しているかもです。


本当に長い目で見ると、こうした市場の山谷はあまり気にしてはいけないのですが。。。

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