2019/10/08日本経済新聞 『投資判断 AI vs. 人の時代』より
資産運用において、人工知能(AI)と人間が競い合う時代が到来か・・・とあり、
国内大手(野村AM、日興AM)では新たにAIファンドを立ち上げるようです。人間の経験や独自の知識やリサーチを基に投資判断を行う「アクティブ運用」の運用成績があまり振るわなくなっている中で、データを駆使したAI運用を取り入れていくとのこと。野村AMは機関投資家向けにAIを投資判断に活用するファンドの募集を開始するとあり、18年に開始したファンドの第ニ弾のようです。過去の市場変動の傾向を約2000の要因に分解して分析するようで、東証一部のうち大きく上昇若しくは下落しそうなものを抽出して投資判断したり、転職サイトから口コミなどの従業員満足度などのデータも銘柄選定に活用するとあります。日興AMも20年にAIを駆使した日本株ファンドを準備、こちらは大量のアナリストレポートから業績予想の変化のクセを銘柄選択に利用するとのこと。東京海上AMは9月にも、個人向けAI投資信託も運用開始したとあります。いろいろな手法があるようですが、本当に有効なのかはよく理解できないです。
このように運用各社が、AIを使った運用に力を入れるのは、伝統的なアクティブ運用成績が芳しくないからです。高い手数料を負担しても運用成績が振るわないなら、投資家の資金は手数料が低いインデックスファンドやETFに移っていってしまいます。
米国モーニングスター調べでは、19年8月の米国投信の運用資産では、パッシブファンド(約4兆2700億米ドル)がアクティブ運用(約4兆2500億米ドル)を初めて上回ったとあります。AIやプログラム売買が少しずつながら登場して来る中で人間の「目利き力」だけでは、運用収益を上げにくい環境になっているのも事実です。また金融緩和によるカネ余りの状況が長らく続き、割安な銘柄が発掘しずらくなっている状況も背景にありそうです。
データの裏付けがある資産運用手法がそれなりの注目を集めそうなことは、数値やデータ量、統計、市場トレンドと相性が良い金融分野においては多少納得感がありますが、その(AIというデータ活用)エンジンが本当に有効か否かについては、私には正直よくわかりません。これは本来的な価値に着目する投資というのではなくて、株価等の価格の動きに着目するトレーディングではないかと思います。
そもそも資産運用自体が、投資家毎に目的、期間やリスクの感じ方が異なるものではないかと思うのです。
そして私の素朴な疑問は「そんなに人工知能がそんなに優れていると本気で考え、この手法がイケる」と思っているのなら、資産運用会社はインハウス(自社)での運用に活用するんじゃないでしょうか?これは儲かると確信があったら、人に教えず自分だけの秘密にして一人だけ儲けたいと考えるのではないでしょうか?
こんな同じような事を、以前ある方もご著書の中で言っていまして、そのある方と10/12にセミナーを開催します。
詳細は下記参照ください。
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【勉強会のお知らせ】
来る10/12(土)の午後に、当オフィス主催にて
世界経済情勢を気楽に学べて!時々笑える?
第二回 マクロ経済勉強会 を開催します。
講師にはブーケ・ド・フルーレット代表の馬渕治好氏をお招きします。
馬渕氏は元日興証券の投資情報、リサーチアナリストを長年務め、
現在は独立したお立場でマクロ経済分析、マーケットに関する情報提供をされております。
日経新聞夕刊の「十字路」の連載を15年超担当されている「わかりやすく経済を伝えるプロフェッショナル」です。
来る2019年10月12日(土)13:30-16:30頃
@市ヶ谷のNBCコンサルタンツ3F会議室となります。
恐れ入りますがご参加は会費制となります。
ご希望の方は当オフィスのHPよりお申込みをお願いいたします。
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